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犬と猫の鉤虫:症状・治療・予防

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7分で読めます 最終更新:

出典:動物との暮らしの百科事典『PawPedia』

目次
犬と猫の鉤虫
ステンレスの診察台に敷かれたタオルの上にクリーム色の子犬が横たわり、青い手袋をした手がその背中に添えられています。そばには聴診器があります。
獣医師の診察中、タオルの上にいる子犬
原因小腸の壁に食いつく細い虫で、体長は通常2センチメートル以下
発生部位犬と猫の小腸。鉤虫はここで腸の粘膜を食べて生きる
最もリスクが高い犬子犬、子猫、そしてやせていたり、ストレスを抱えていたり、体調が悪かったりする動物
感染の広がり方便で汚染された土の中の幼虫を飲み込む、または幼虫が皮膚から侵入する。子犬は母犬の乳を介して感染することもある
よく見られる症状歯ぐきが白っぽい、衰弱、血が混じったり黒っぽかったりする下痢、体重減少。成犬や成猫の多くは、症状がほとんど、またはまったくない
診断通常は便検査で見つかる
治療獣医師が選んだ、成虫を殺す駆虫薬。通常は2〜3週間後にもう一度投与する
予後鉤虫は一般に治療によく反応する。幼い子犬では、重度の感染で死に至ることがある
予防定期的な駆虫、便をすぐに片付けること、猫のトイレを毎日掃除すること
人へのリスク汚染された土や砂に触れた素肌から、幼虫が侵入することがある
緊急となる場合子犬や子猫の歯ぐきがとても白っぽい、または真っ白、衰弱している、食べなくなる、黒い下痢や血の混じった下痢をしている、呼吸が速い、倒れる

鉤虫は、犬と猫の小腸にすみ、腸の粘膜を食べて生きる小さな寄生虫です。下痢、体重減少、貧血を引き起こすことがあります。成犬や成猫の多くは、症状がほとんど、またはまったくないまま鉤虫を保有しています。幼い子犬や子猫では、重度の感染によって深刻な失血が起こることがあり、子犬では死に至ることもあります。

鉤虫は通常、便検査で簡単に見つけることができ、一般に治療と定期的な駆虫によく反応します。このガイドでは、ペットが鉤虫に感染する経路、注意すべき点、ペットとご家族を守る方法を解説します。

鉤虫とは

鉤虫は細い虫で、体長は通常2センチメートル以下(1インチ未満)です。大きな口器で小腸の壁に食いつき、そこで栄養をとりながら、ときどき新しい場所へ移動します。鉤虫は血液が固まるのを妨げる物質を出すため、以前にかまれた場所から出血が続くことがあります。

ヨーロッパで特に重要なのは3種です。犬鉤虫(Ancylostoma caninum)は犬に感染し、大量の血を吸うため、最も大きな害をもたらします。主に中央ヨーロッパと南ヨーロッパで見られます。猫鉤虫(Ancylostoma tubaeforme)は猫に感染し、ヨーロッパ大陸全域で見られます。狭頭鉤虫(Uncinaria stenocephala)は「北方鉤虫」と呼ばれることもあり、寒さに比較的強く、ヨーロッパ全域で見られます。主に犬に感染し、猫に感染することはまれです。吸う血の量ははるかに少なく、通常は症状も軽く済みます。

犬と猫の感染経路

成虫が産んだ卵は、便と一緒に体外へ出ます。暖かく湿った土の中で卵はふ化し、数日のうちに、新しい宿主に感染できる幼虫へと発育します。ペットは、次のようないくつかの経路でこの幼虫に感染します。

  • 汚染された地面に触れたあと、においをかいだり、草を食べたり、毛づくろいをしたりするときに幼虫を飲み込む
  • 汚染された土の上を歩いたり寝そべったりしたときに、幼虫が皮膚(多くの場合は足)から侵入する
  • 幼虫を体内に持つネズミなどのげっ歯類や、ゴキブリなどの昆虫を食べる
  • 感染した母親の乳を飲む(子犬にとって重要な感染経路)

犬では、一部の幼虫は腸にたどり着かず、代わりに体の組織の中で休眠します。メス犬では、この休眠中の幼虫が妊娠中に活動を再開し、乳腺へ移動して、乳を介して子犬にうつることがあります。通常の駆虫では、この休眠中の幼虫には効果が及ばないため、健康そうに見える母犬でも子犬たちに感染させることがあります。猫鉤虫は、乳を介して子猫にうつることはありません。子猫は生まれたあとに周囲の環境から幼虫に感染します。

感染は、犬舎の運動場や保護施設、あまり掃除されていない庭など、動物が屋外のスペースを共有し、便がたまる場所で最もよく起こります。

注意すべき症状

健康な成犬や成猫は、はっきりした症状がないまま鉤虫を保有していることがよくあります。時間とともにある程度の免疫がつきますが、完全ではありません。こうしたペットも卵を排出し、地面を汚染して、ほかの動物への感染源となることがあります。症状は、子犬、子猫、そしてやせていたり、ストレスを抱えていたり、体調が悪かったりする動物に出やすくなります。考えられる症状には、次のようなものがあります。

  • 歯ぐきが白っぽい(貧血の主な兆候)
  • 衰弱、元気がない、疲れやすい
  • 下痢(血が混じることもある)、または黒っぽいタール状の便
  • 体重減少、または発育不良
  • つやがない、乾燥している、またはごわごわした被毛
  • 食欲不振
  • 足や指の間の皮膚の赤み、痛み、かゆみ
  • 重度に感染した幼い動物の咳

猫鉤虫は、血の混じった下痢や黒っぽい下痢、体重減少、貧血を引き起こすことがあります。失血は、成猫よりも子猫で大きな問題になります。北方鉤虫が症状を起こすことはまれです。

緊急を要するとき

鉤虫症は、非常に幼い動物では急速に進行することがあります。乳を介して感染した子犬は、生後数週間のうちに重い状態に陥ることがあり、便検査で卵が見つかる前にそうなる場合もあります。

子犬や子猫の歯ぐきがとても白っぽい、または真っ白な場合、衰弱している様子やいつになくおとなしい様子が見られる場合、お乳を飲まなくなったり食べなくなったりした場合、黒いタール状の下痢や血の混じった下痢をしている場合は、その日のうちに獣医師に連絡してください。呼吸が速い、倒れるといった場合も、緊急の治療が必要です。体の小さな動物は、短時間で危険な量の血液を失うことがあります。こうした動物の中には、駆虫とあわせて入院治療が必要になる場合もあります。

獣医師による診断と治療

鉤虫は通常、便検査で見つかります。浮遊法では、便を特殊な溶液と混ぜて卵を浮かせ、顕微鏡で観察します。感染が成立していれば、通常はこの方法で鉤虫の卵を簡単に見つけることができます。動物病院によっては、卵が現れる前に感染を検出できることが多い便の抗原検査や、種類を特定できるPCR検査を行っているところもあります。はっきりした症状のある非常に幼い子犬では、便の中にまだ卵が出ていない可能性があるため、獣医師が症状とこれまでの経過をもとに治療を始めることがあります。

治療には、腸内の成虫を殺す駆虫薬を使います。こうした薬のほとんどは、まだ発育中の幼虫や組織内で休眠している幼虫を殺すことができないため、獣医師は通常、2〜3週間後に治療を繰り返します。治療後に便検査を行うと、治療が効いたかどうかを確認するのに役立ちます。

貧血や脱水のある動物は、鉤虫を駆除する間、追加のケアが必要になることがあります。回復期には、輸液、鉄剤、高たんぱくの食事などが含まれることがあります。重症の場合は輸血が必要になることもあります。薬と投与スケジュールは、ペットの動物種、年齢、体重、健康状態に合わせて獣医師が選びます。

世界の一部の地域では、犬鉤虫がいくつかの一般的な駆虫薬に対して耐性を持つようになっています。これは主にアメリカとオーストラリアで報告されています。ヨーロッパのガイドラインによると、ヨーロッパではこれまでに確認された症例はほとんどありません。これも、獣医師に勧められた場合に治療後の便を再検査すべき理由の一つです。

家庭でできる予防

予防の基本は定期的な駆虫です。子犬は約2週齢、子猫は2〜3週齢で最初の駆虫を行うことがよくあります。その後は通常、離乳後まもなくまで2週間ごとに駆虫を繰り返します。それ以降は、ペットの生活スタイルや地域のリスクに応じて、定期的または毎月の駆虫を勧める獣医師が多くいます。毎月投与する寄生虫予防薬の多くは、鉤虫にも効果があります。妊娠中の犬には、子犬に幼虫がうつるリスクを下げるための計画を獣医師が提案することができます。

周囲を清潔に保つことも大切です。犬の便をすぐに片付けることと、猫のトイレを毎日掃除することは、どちらも予防に役立ちます。卵は土の中で数日たたないと感染できるようにならないため、便を素早く取り除けば感染のサイクルを断ち切れます。幼虫は暖かく湿った土や砂の中で数週間、ときには数か月生き延びることがあるため、庭や運動場はしばらくの間、汚染されたままになることがあります。猫を屋内で飼うこと、ペットに狩りや拾い食いをさせないことも、リスクを下げます。

定期的な便検査で、予防の計画がうまくいっているかどうかがわかります。現在のガイドラインでは、成犬・成猫は少なくとも年に1〜2回、幼い動物はそれより頻繁に検査することが勧められています。

人やほかのペットへのリスク

鉤虫は、庭、運動場、トイレのスペースを共有する動物の間で簡単に広がります。1頭のペットが診断されたら、家にいるほかの犬や猫も検査や治療を受けるべきかどうか、獣医師に相談するとよいでしょう。

犬や猫の鉤虫は、人に影響を及ぼすこともあります。汚染された土や砂に触れた素肌から、幼虫が侵入することがあります。これにより、皮膚幼虫移行症と呼ばれる状態が起こり、かゆみのある赤い曲がりくねった線が皮膚に現れます。幼虫は人の皮膚の中では成虫になれず、通常は数週間以内に死にます。医師が診断を確定し、治療について助言してくれます。まれに、犬鉤虫が人の腸に達し、腹痛を起こすことがあります。

人は通常、汚染された地面から幼虫に感染します。卵はまず体外で数日を過ごす必要があるため、排泄されたばかりの便にはまだ感染力がありません。いくつかの簡単な習慣で、リスクを下げることができます。たとえば、動物が排泄する屋外の場所では靴を履く、庭仕事のときは手袋をする、子どもの砂場は使わないときにカバーをかける、土に触れたあとやペットの排泄物を片付けたあとは手を洗う、といった習慣です。

保護された動物や迎えたばかりの動物

鉤虫は、路上で暮らす動物や保護施設の動物など、屋外や集団で生活する動物に多く見られる傾向があります。Paw Squadronでは、救助のたびに、まず動物病院に連れて行き、体を洗います。すべての動物が健康診断、駆虫、ノミやその他の寄生虫の駆除処置を受けます。さらに譲渡の前には、すべての動物が治療、ワクチン接種、マイクロチップの装着を受けます。

駆虫によって駆除できるのは、その時点で体内にいる成虫です。休眠中の幼虫があとから成長することがあり、また幼い動物は、一連の治療が終わる前に新たな幼虫に感染することがあります。譲渡後は、かかりつけの獣医師の診察を予約し、健康記録を持参して、便検査や追加の駆虫が必要な時期かどうかを確認するとよいでしょう。そうすれば、獣医師がそのペットに合ったスケジュールを立てることができます。

保護された動物を家族として迎えることをお考えでしたら、里親募集ページで家族を待っている動物たちをご覧いただけます。また、よくある質問では、譲渡の流れについてよくある疑問にお答えしています。

この記事は一般的な情報であり、獣医学的な助言ではありません。動物の健康については、必ず獣医師にご相談ください。PawPediaの画像の一部はAIで生成されている場合があります。

このページの最終更新日は2026年9月27日です。

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