子犬・保護犬のトイレトレーニング:日課・ごほうび・失敗への対処
出典:動物との暮らしの百科事典『PawPedia』
目次
概要
子犬や保護犬のトイレトレーニングでは、決まった生活リズムを守り、屋外の同じ場所に頻繁に(食後、昼寝のあと、遊んだあとに)連れて行き、よく見守り、正しい場所でできたらすぐにほめましょう。失敗しても落ち着いて対応してください。トイレを覚えていた犬が急に粗相するようになった場合は受診し、いきんでいるのに尿が少ししか出ない場合はすぐに受診してください。

| 方法 | 決まった生活リズムを保つ、よく見守る、正しい場所でできたらほめる、失敗しても落ち着いて対応する |
|---|---|
| かかる期間 | 子犬では4〜6か月かかることが多く、それ以上かかる場合もある |
| 排泄を我慢できる時間 | 子犬の月齢1か月につき、およそ1時間 |
| 外に連れ出す頻度 | 幼い子犬が起きている間は1〜2時間ごと、走り回って遊んでいるときは約30分ごと |
| 排泄したいときのサイン | 床のにおいをかぐ、くるくる回る、急に遊びをやめる、クンクン鳴く、うろうろ歩き回る、ドアのほうへ行く |
| ごほうび | 外で排泄し終えたその瞬間に、ほめて小さなおやつを与える |
| クレートで過ごす時間 | 生後6か月未満の子犬:日中は通常、1回につき3〜4時間まで |
| 避けること | 粗相に犬の鼻を押しつけたり、たたいたりすること(犬が怖がりになることがある) |
| 掃除 | ペットの尿用の酵素系クリーナー |
| 保護犬 | 成犬であっても、最初の数週間は子犬を迎えたときと同じように接する |
| 受診が必要なとき | いきんでも尿がほとんど、またはまったく出ない場合や、子犬に下痢と嘔吐がある場合(すぐに受診)。尿や便に血が混じる。急に粗相をするようになった |
トイレトレーニングでは、どこで排泄するのか、そしてその場所に着くまで我慢することを犬に教えます。ほとんどの子犬は数か月以内に覚えます。保護犬として迎えた成犬も、特に屋外や犬舎で暮らしていた場合は、一から同じことを学ぶ必要があるかもしれません。方法はどちらも同じです。決まった生活リズムを保ち、犬をよく見守り、正しい場所でできたらほめ、失敗しても落ち着いて対応しましょう。
時間がかかる犬がいる理由
幼い子犬は膀胱が小さく、排泄をほとんどコントロールできません。大まかな目安として、子犬は月齢1か月につき約1時間、尿を我慢できます。生後3か月の子犬なら、日中は約3時間我慢できることがありますが、夢中で遊んでいるときはもっと短くなります。生後5か月ごろまでは、夜中にも外に連れ出す必要がある子犬が多くいます。子犬のトイレトレーニングには4〜6か月かかることが多く、それ以上かかる子犬もいます。
体の大きさ、年齢、これまでの習慣のすべてが関係します。獣医学の参考文献によれば、ペットショップなどで長期間ケージに入れられていた犬や、屋外だけで暮らしていた犬は、トイレトレーニングが難しくなることがあります。そうした犬は我慢する必要がまったくなかったため、したくなったときに、どこででも排泄していたのです。
毎日の決まった流れをつくる
犬は、1日の流れが決まっているときに最も早く覚えます。子犬は食後すぐに排泄したくなることが多いので、毎日同じ時間に食事を与えましょう。毎回リードをつけて屋外の同じ場所に連れて行き、どこがトイレなのかを覚えさせます。遊びや散歩は、排泄が済んでからにします。子犬のワクチン接種が完了するまでは、屋外のどの場所なら安全に使えるかを獣医師に確認してください。
子犬や迎えたばかりの犬は、次のタイミングで外に連れ出しましょう。
- 朝起きてすぐと、夜寝る前
- 毎回の食事のあとや、水をたくさん飲んだあと、すぐに
- 昼寝から目覚めた直後
- 幼い子犬が走り回って遊んでいるときは、約30分ごと
- 幼い子犬が起きている間は、1〜2時間ごと
- 排泄したいサインが見られたときはいつでも
犬が排泄している最中に、「ワンツー」のような短い合図を落ち着いた声でかける飼い主もいます。続けるうちに犬はその言葉と排泄を結びつけるようになり、車で出かける前や寝る前に便利なことがあります。
覚えるまではしっかり見守る
粗相のほとんどは、誰も見ていないときに起こります。犬が覚えるまでの間は、次の3つの場所のいずれかで過ごさせましょう。1つ目は、目の届く飼い主のそばです。2つ目は、サークルなどの小さく安全なスペースです。3つ目は、短い休憩に使うクレートです。迎えたばかりの犬に室内でも軽いリードをつけて、そばから離れないようにしている飼い主もいます。
犬が排泄したいときのサインを覚えておきましょう。床のにおいをかぐ、くるくる回る、急に遊びをやめる、クンクン鳴く、落ち着きなくうろうろ歩き回る、ドアのほうへ行く、といった様子です。こうしたサインが見られたら、すぐに外へ連れ出してください。小さな子犬は、ドアまで歩く間も我慢できないことが多いので、抱っこして運んでもかまいません。
ほとんどの犬は寝る場所を汚すのを避けるため、クレートが役立つことがあります。クレートは、犬が楽に立ち上がって向きを変えられる程度の、ちょうどよい大きさにしてください。中で食事やおやつを与えながら少しずつ慣らし、決して罰として使わないでください。生後6か月未満の子犬は通常、日中に1回3〜4時間を超えてクレートに入れておくべきではありません。
それより長く家を空ける必要がある場合は、隅にトイレシートやトイレトレーを置いたサークルを用意すると、犬が排泄できる場所になります。トイレシートが合う飼い主や小型犬もいます。ただし、犬が2つの場所で排泄してよいと覚えてしまうため、あとで屋外だけで排泄するように切り替えるのが難しくなることがあります。
正しい場所でできたらほめる
叱って直すよりも、ほめて小さなおやつを与えるほうが早く覚えます。ごほうびは、犬が排泄し終えたその瞬間に、まだその場所の近くにいるうちに外で与えてください。家に戻ってキッチンで与えるおやつでは遅すぎて、犬は外で排泄したこととそれを結びつけられません。幼い子犬はほめられると気が散って途中でやめてしまうことがあるので、完全に終わるまで待ちましょう。
犬が理解したように見えても、数週間はごほうびを続けてください。子犬が2〜3か月ほど失敗なく過ごせたら、通常は家の中でもう少し自由にさせてもよい段階です。一部屋ずつ、行動範囲を広げていきましょう。
粗相には落ち着いて対応する
粗相はどうしても起こるものです。引っ越しのあとやおなかの調子が悪いときに、一時的に後戻りするのも普通のことです。排泄している最中を見つけたら、手を1回たたくなど、怖がらせない程度の軽い音を立てて中断させます。それから外に連れ出して続きをさせ、できたらほめてあげましょう。あとで粗相を見つけた場合は、ただ片付けるだけにします。あとから叱っても効果はありません。犬は、ほんの数分前に起きたことでも、叱られたこととは結びつけられないからです。粗相に鼻を押しつけたり、たたいたりすると、犬が怖がりになることがあります。また、人の前で排泄するのを避けるようになることもあり、そうなると外でほめることがずっと難しくなります。
汚れた場所は、ペットの尿用の酵素系クリーナーで掃除してください。普通の洗剤では、人は気づかなくても犬にはわかるにおいがかすかに残ることがあり、そのにおいに引き寄せられて同じ場所に戻ってきてしまいます。食事、昼寝、遊び、排泄の時間を簡単に記録して、パターンを見つけたり、1日の予定を立てたりしている飼い主もいます。
粗相の中には、ほかの原因によるものもあります。家具やドア枠に片脚を上げてマーキングする犬もいます。これは去勢手術を受けていないオスに最も多く見られますが、メスや不妊去勢手術を受けた犬がマーキングをすることもあります。去勢手術を受けていないオスに手術を行い、よく見守ることで、多くの犬でマーキングが減ります。また、あいさつされたとき、興奮したとき、不安を感じたときに、少量の尿を漏らしてしまう犬もいます。あいさつは落ち着いて控えめにし、犬の上から手を伸ばしたり、じっと見つめたりしないようにして、来客にも同じようにしてもらいましょう。それが続く場合は、獣医師に相談してください。
自宅の庭であっても、便はすぐに片付け、そのあとは手を洗ってください。犬の便には回虫や鉤虫がいることがあり、人やほかのペットに感染することがあります。
粗相が健康上の問題のサインである場合
粗相の原因が病気である場合もあります。獣医師は、尿の量が増える、排泄の回数が増える、排泄時に痛みがある、排泄をコントロールできなくなる、といった状態を引き起こす病気がないかを調べます。例としては、尿路感染症、腎臓病、糖尿病、腸内寄生虫、そして高齢犬では加齢に伴う記憶力や思考力の低下などがあります。食事の変更や寄生虫による下痢によって、子犬のトレーニングの進み具合がしばらく後戻りすることもあります。
次のいずれかに気づいたら、獣医師に連絡してください。
- きちんとトイレができていた犬が、急に粗相をするようになった
- 水を飲む量や尿の量が、いつもよりずっと多い
- 尿や便に血が混じる
- いきむ、鳴く、少量ずつ非常に頻繁に排泄する
- 1日を超えて続く下痢
- 休んでいるときや寝ているときに尿が漏れる
その日のうちに診てもらう必要がある症状もあります。いきんでも尿がほとんど、またはまったく出ない犬は、すぐに獣医師の診察を受けてください。尿路の閉塞は緊急事態だからです。下痢と嘔吐がある子犬や、ぐったりしている、または食べようとしない子犬も同様です。ワクチン接種を終えていない幼い子犬は、パルボウイルスなどの重い感染症にかかるおそれがあります。
獣医師は通常、犬の日々の生活やこれまでの経緯についての質問から始め、次に身体検査を行います。尿検査が一般的で、その結果に応じて、便検査、血液検査、画像検査が行われることがあります。治療は原因によって異なります。病気が見つからない場合は、通常はトレーニングに戻ります。獣医行動学の専門家の助けを借りることもあります。
保護犬のトイレトレーニング
保護された犬の多くは、家の中で暮らしたことがありません。路上や庭、保護施設の犬舎で暮らしてきた犬には、床で排泄してはいけないと学ぶ理由がなかったのです。成犬であっても、最初の数週間は子犬を迎えたときと同じように接してください。同じ生活リズム、同じようにしっかり見守ること、同じごほうびを取り入れましょう。成犬は通常、子犬よりもずっと長く尿を我慢できるため、外に連れ出す回数は少なくて済む傾向があります。
ストレスも関係します。長旅、新しい家、新しい人々は、どれも最初の数日間の粗相の原因になり得ます。神経質な犬は、車の往来や雨、花火を警戒するあまり散歩中に排泄できず、家に戻った途端にしてしまうことがあります。静かな場所を選んで時間をかけてあげ、しなかった場合は少し時間をおいてからもう一度試してください。迎えたばかりの犬が新しい家に慣れていく様子を週ごとに知りたい方は、小型の保護犬との最初の30日間をご覧ください。
Paw Squadronでは、救助後に毎回まず向かう先は、動物病院とお風呂です。どの犬も健康診断と駆虫を受け、ノミやその他の寄生虫の治療を受けます。また、譲渡の前には、すべての動物が健康診断、治療、ワクチン接種を受け、マイクロチップを装着します。それでも、最初の数週間のうちにかかりつけの獣医師を受診するとよいでしょう。粗相が予想より長く続く場合は、なおさらです。
家族として迎えることを考えている犬についてご質問がある場合は、よくある質問をご覧いただくか、譲渡のお問い合わせをお送りください。
私たちの救助から
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な助言ではありません。動物の健康については、必ず獣医師にご相談ください。PawPediaの画像の一部はAIで生成されている場合があります。
このページの最終更新日は2026年10月3日です。


