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犬の白内障:症状・原因・治療

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7分で読めます 最終更新:

出典:動物との暮らしの百科事典『PawPedia』

獣医学の情報源に基づいてファクトチェック済み

目次

概要

白内障は、目の水晶体が白く濁って光をさえぎり、視界がぼやける状態で、犬の場合ほとんどは遺伝性です。白内障を取り除ける治療は手術だけです。目が白く濁っていても白内障とは限らないので診察を受け、目が赤い、目を細めている、突然目が見えなくなった場合は、その日のうちに獣医師に連絡してください。

犬の白内障
リビングルームのソファに耳の長い白黒の犬が横たわり、その頭に人の手が置かれている。
なでられながらソファで休む白黒の犬
原因犬の白内障のほとんどは遺伝性
発生部位目の水晶体
最もリスクが高い犬糖尿病の犬、およびアメリカン・コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー、プードル、ボストン・テリア、シー・ズーなどの犬種
感染の広がり方ほかのペットや人にはうつらない。遺伝性の白内障は親から子犬に受け継がれることがある
初期症状瞳孔の白色、灰色、または青灰色の濁り。初期の白内障ではっきりした問題が出ることはまれ
よく見られる症状特に薄暗い場所や初めての場所で、家具やドア、壁にぶつかる
診断獣医師が明るい光と検眼鏡を使って目を検査する。多くの場合、瞳孔を広げる目薬をさしてから行う
治療白内障を取り除く方法は手術だけ。白内障を溶かしたり進行を遅らせたりすることが証明された目薬、サプリメント、食事はない
予後手術がうまくいけば、多くの犬は術後まもなく再び見えるようになる。報告されている成功率は約80〜95%
予防個々の犬の白内障を予防する方法として証明されたものはない
緊急となる場合目の充血や目を細める様子、目の前面全体の青いかすみ、片方の目が大きい、瞳孔が開いたままになる、または突然目が見えなくなる

白内障とは、目の水晶体にできた濁りです。水晶体は瞳孔の奥にあり、目の奥にある網膜に光の焦点を合わせています。水晶体の一部が不透明になると、通る光が減り、視界がぼやけます。小さな白内障であれば、犬にほとんど影響がないこともあります。水晶体全体を覆う白内障では、その目の実用的な視力が失われます。

多くの飼い主が最初に気づくのは、高齢犬の目の白や灰色のかすみです。ただし、目の濁りがすべて白内障というわけではありません。正常な加齢によるかすみもあれば、緊急の治療が必要な濁りの原因もいくつかあります。これらは獣医師が見分けることができます。

白内障の原因

犬の白内障のほとんどは遺伝性です。若い犬に現れることもあれば、年をとってから現れることもあります。リスクが高いと報告されている犬種には、アメリカン・コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー、プードル、ボストン・テリア、シー・ズー、ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル、シュナウザー系の犬種があります。ミックス犬を含め、どの犬にも起こる可能性があります。

糖尿病は、犬の白内障に関連する最も一般的な病気です。高血糖によって水晶体内部の化学的な状態が変化し、水晶体が水分を取り込んで膨らみ、濁ります。糖尿病の犬のほとんどは、糖尿病がうまく管理されていても白内障を発症し、多くの場合は診断から1年以内に発症します。こうした白内障は短期間でできることがあります。

そのほかの原因には、目のけがや、目の内部で長く続く炎症があります。まれに、特定の栄養素が不足した代用乳で育てられた母犬のいない子犬が白内障を発症することがあります。また、単に年齢とともに現れる白内障もあります。

白内障か、正常な加齢変化か

多くの犬では、中年期から老年期にかけて、水晶体の中心部に青みがかった灰色のかすみが現れます。これは核硬化症(水晶体硬化症)と呼ばれます。水晶体は年月とともに硬くなり、密度が増すため、光の当たり方によって中心部が濁って見えます。これは正常な加齢変化です。核硬化症の犬は、通常、実用的な視力を保っています。近くの距離感をつかみにくくなったり、投げられたおもちゃを取り損ねたり、階段で不安そうにしたりすることがあります。

白内障は、光をさえぎる本当の混濁です。多くの場合、より白く、チョークのように見え、1か所にとどまることもあれば、水晶体全体に広がることもあります。飼い主には2つが似て見えることがあり、同じ目に両方が存在することもあります。獣医師は目の検査でこれらを見分けることができます。

注意すべき症状

初期の白内障で、はっきりした問題が出ることはまれです。犬は嗅覚と聴覚に大きく頼っているため、多くの犬はゆっくり進む視力の低下に順応します。飼い主は、両目に症状が出てから初めて気づくこともあります。次のような兆候があります。

  • 瞳孔の白色、灰色、または青灰色の濁り
  • 特に薄暗い場所や初めての場所で、家具やドア、壁にぶつかる
  • 階段や縁石の前、またはソファに飛び乗ったり飛び降りたりする前にためらう
  • 投げたおもちゃやおやつを取り損ねる
  • いつもより飼い主のそばを離れない、または散歩中の動きが慎重になる
  • 薄暗い場所より明るい場所のほうがよく見える、またはその逆

これらの変化の一部は正常な加齢でも見られるため、原因を突き止めるには目の検査が必要です。

犬が急に水を飲む量と尿の量が大幅に増え、食べる量も増え、体重が減っている場合は、獣医師に糖尿病の検査を依頼してください。こうした兆候と同時に目の濁りが現れた場合は、早めの受診が必要です。

白内障の進行

獣医師は多くの場合、白内障が水晶体のどの程度を覆っているかによって段階を表します。初発白内障は水晶体のごく一部を覆うもので、視力に目立った影響はありません。未熟白内障はより広い範囲を覆い、視界がぼやけることがあります。成熟白内障は水晶体全体を覆い、その目の実用的な視力が失われます。過熟白内障は分解して縮み始めた状態で、目に炎症を起こすことがあります。

長期間小さいままの白内障もあります。一方で、特に糖尿病の犬では、急速に大きくなるものもあります。

緊急を要するとき

白内障そのものは、通常は痛みを伴いません。問題が起こるのは、水晶体のたんぱく質が目の中に漏れ出したときです。体はそれを異物とみなし、目に炎症が起こります。これを水晶体起因性ぶどう膜炎といいます。治療しないままにすると、眼圧が上がって緑内障につながることがあります。緑内障は強い痛みを伴うことがあり、犬が目を失うこともあります。次のような兆候に気づいたら、その日のうちに獣医師に連絡するのが最善です。

  • 目の充血、目を細める、涙が出る、または前足で目をこする
  • 目の前面全体にかかる、青いかすみのような濁り
  • 片方の目がもう一方より大きく見える、または瞳孔が開いたままになる
  • 片目または両目が突然見えなくなる
  • 糖尿病の犬が急速に視力を失う、または具合が悪そうに見える

突然の失明は網膜の問題によって起こることもあるため、必ず早めの検査が必要です。

獣医師による白内障の診断

獣医師は、明るい光と検眼鏡を使って両目を診察します。多くの場合、瞳孔を広げる目薬をさしてから行います。通常は眼圧も測定し、炎症がないかを調べます。血液検査や尿検査によって、変化の背景に糖尿病やほかの病気があるかどうかがわかります。目を専門とする獣医師である獣医眼科専門医を紹介されることもあります。

治療の選択肢

白内障を溶かしたり、進行を遅らせたりすることが証明された目薬、サプリメント、食事はありません。そうした効果をうたう製品の中には、かえって白内障を悪化させる可能性があるものもあります。白内障を取り除く治療は手術だけです。手術の前に、専門医は通常、血液検査、目の超音波検査、そして網膜電図検査と呼ばれる網膜の電気的な検査を行います。白内障を取り除いても、その奥の網膜が機能していなければ視力は戻らないため、これらの検査は重要です。

標準的な手術は、超音波水晶体乳化吸引術と呼ばれます。全身麻酔下で、執刀医が角膜にごく小さな切開を入れ、濁った水晶体を超音波で砕いて取り除きます。ほとんどの犬では、元の水晶体があった場所に人工レンズを入れます。手術がうまくいけば、多くの犬は麻酔から覚めてまもなく再び見えるようになります。報告されている成功率は約80〜95%です。白内障が完全に成熟する前、そして炎症が起こる前に手術を行うと、最もよい結果が得られる傾向があります。

術後のケアには、しっかりとした取り組みが必要です。犬は多くの場合、一晩入院し、その後、自宅では目をこすらないようにエリザベスカラーを着けます。飼い主は眼科専門医が決めたスケジュールに沿って目薬をさし、何度か再診を受けます。起こりうる合併症には、長引く炎症、緑内障、角膜潰瘍、感染症、人工レンズ周囲の新たな濁り、網膜剥離があります。

手術がすべての犬に適しているわけではありません。網膜が機能していない場合や、ほかの健康上の問題がある場合、また費用や術後のケアがご家族にとって難しい場合もあります。白内障を取り除かない犬でも、時間とともに炎症や緑内障が起こることがあるため、数か月ごとの眼圧測定を含む定期的な目の検査が必要です。獣医師が、目を守るために抗炎症作用のある目薬を勧めることもあります。一部の若い犬では、水晶体の物質が再吸収されるにつれて白内障が部分的に自然に透明になることがありますが、これを当てにすることはできません。

目がよく見えない犬との暮らし

多くの犬は、視力の低下にうまく対応します。においや音、記憶を頼りに家の中を覚えていきます。家具や食器、ベッドを同じ場所に置いたままにし、階段やプールはゲートでふさいでおくと役立ちます。犬に触れる前には声をかけ、来客にも同じようにしてもらいましょう。慣れない場所ではリードをつけるのが最も安全です。縁石や階段の手前で「段差」のような短い言葉をかけるのも助けになります。感触の異なるラグを敷いたり、ほかのペットに小さな鈴をつけたりすることも、犬が行き先を見つける助けになります。視力が弱い犬のほとんどは、散歩やにおいを使った遊び、家族と過ごす時間を変わらず楽しみます。

遺伝と予防

白内障は感染しません。ほかのペットや人にうつることはありません。遺伝性の白内障は親から子犬に受け継がれることがあるため、責任あるブリーダーは繁殖の前に、認定を受けた獣医眼科検査医に犬の目を検査してもらいます。ヨーロッパでは、こうした検査は各国のケネルクラブや犬種クラブと連携した眼科スクリーニング制度を通じて行われています。専門家は、遺伝性の白内障がある犬を繁殖に使わないよう勧めています。

個々の犬の白内障を予防する方法として証明されたものはありません。定期的な健康診断は、獣医師が水晶体の初期の変化や糖尿病を見つける助けになります。犬の目の見た目に変化があれば、小さなことでも伝えてください。目の内部の炎症は白内障やほかの障害につながることがあるため、目のけがや、赤く痛そうな目は早めに診てもらうのが最善です。

保護犬や迎えたばかりの犬

救助された犬は、経歴がわからないことがよくあります。高齢犬の場合、すでに目が濁っていることもあり、それが正常な加齢によるものか、白内障か、古いけがや炎症の結果なのか、はっきりしないこともあります。Paw Squadronでは、救助のあとは毎回、まず動物病院に行き、体を洗います。どの動物も健康診断と駆虫を受け、ノミやその他の寄生虫の治療を受けます。譲渡の前には、すべての動物が健康診断、治療、ワクチン接種を受け、マイクロチップを装着します。

目が濁った犬を家族として迎える場合は、最初の数週間のうちに、かかりつけの獣医師の診察を予約するとよいでしょう。今の目の状態を記録してもらうと、その後の変化を追いやすくなります。視力が限られた犬は新しい家に慣れるまでに時間がかかることがあるため、最初のうちは家具の配置をシンプルにし、変えないようにすると役立ちます。ほかのガイドはPawPediaでご覧いただけます。家族を待っている犬たちには里親募集ページで会うことができます。

出典

オンライン資料

  1. Disorders of the Lens in Dogs · Merck Veterinary Manual (Pet Owner Version)
  2. Cataracts in Dogs · VCA Animal Hospitals
  3. Canine cataracts · Cornell Richard P. Riney Canine Health Center
  4. Cataracts in dogs · PDSA
  5. Cataracts in Dogs: What to Know · American Kennel Club

百科事典

  1. Cataract · Wikipedia
  2. Cataract · Encyclopædia Britannica
  3. М. В. Рябина. Катаракта [Cataract] · Большая российская энциклопедия, т. 13, Москва, 2009, с. 328 (archived copy)
  4. 白内障 [Cataract] · 日本大百科全書(ニッポニカ), 小学館, via Kotobank

書籍

  1. Gelatt KN. Essentials of Veterinary Ophthalmology. 3rd ed. Hoboken, NJ: Wiley-Blackwell, 2014. ISBN 9781118771877
  2. Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E (eds.). Textbook of Veterinary Internal Medicine: Diseases of the Dog and the Cat. 8th ed. St. Louis: Elsevier, 2016. ISBN 9780323312110
  3. Щербаков Г. Г. и др.; под общ. ред. Г. Г. Щербакова. Внутренние болезни животных: учебник [Internal Diseases of Animals: A Textbook]. Санкт-Петербург: Лань, 2014. ISBN 9785811416820
  4. Nelson RW, Couto CG. Small Animal Internal Medicine. 6th ed. St. Louis: Elsevier, 2019. ISBN 9780323570145

この記事は一般的な情報であり、獣医学的な助言ではありません。動物の健康については、必ず獣医師にご相談ください。PawPediaの画像の一部はAIで生成されている場合があります。

このページの最終更新日は2026年10月13日です。

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